平成28年度中国・四国地区児童家庭支援センター協議会総会・研修会
平成28年8月25日~8月26日に平成28年度中国・四国地区児童家庭支援センター協議会総会・研修会を高知会館(高知市)にて開催した。
今回の研修の主題は、「子ども・家庭を支える児童家庭支援センターの役割~関係する支援機関との連携について考える~」であった。
1日目の講演は、元東京都の児童相談所職員でマラソン日本1周を達成した井上幸夫氏であった。児童自立支援施設、児童相談所を経験し、全国の児童福祉関係機関をマラソンしながら回る中で、感じたこと、社会的養護を必要とする児童の支援の上で大切であると感じたことを話してくださった。要保護児童の支援と同時に、その保護者の支援が大切であること。その児童は、基本的には、また、元の家庭、地域に帰ってくるから、地域の子は地域で守り育てるというコンセプトを持ち、そのための、要対協との連携が重要であること。そのための、具体的な提言をいくつかいただいた。
その後、2カ所のセンターから事例発表があり、個別ケースを通して、関係機関との連携について、グループ討議を行った。
2回のグループ討議を通して、学んだことは、関係機関との連携をしていく上で、関係者会議は非常に重要であるが、ケース会議を行う場合、その会議を行う、目的、(標的:目的よりさらに絞ったねらい)を明確にすること。その連携の上で、センターがどんな役割をすることが出来るか、どんな機能を果たせるか、どんな責任を持つかを明確にすることが必要であることなどであった。2カ所のセンターの事例では、センターが中心になって、非常に熱心に幅広い活躍をしていたことが示されたが、その他の機関、市町村や児相がもっと担うべき役割があったのではないかなど、課題が出された。
助言者からは、一般的に見て、児童家庭支援センターがどんな日常業務をしていて、どんな独自性を持っていて、関係機関とどんな関係性を持っているかが、よくわからないとの指摘があった。児童家庭支援センターが世間にまだ充分に理解されていない、知られていないという現実的な認識に立って、自分の事をまわりに理解を求めつつ、ケースに関わる上で、自分の立ち位置を明確にすること。変化していくケースのその時々の状況を正確にキャッチし、評価する事が重要であることなど、助言をいただいた。
総会では、全国児家セン総会の時に厚労省から出された、相談件数に応じて補助金の額を変える案について、現在の統計結果では、正確に相談件数が拾えていないのではないか。まず、統計を正確に提出するための具体的な基準が必要ではないか。それを、中四国から提案していこうという積極的な発言があった。