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会長挨拶

 2022年6月の児童福祉法改正により、“施設で育てる社会的養護から地域で育てる社会的養育”に向けたパラダイムシフトが一層加速しています。
具体的には、家庭維持支援や家族再統合支援、特別養子縁組や親族里親を含む里親養育支援といった、いわば“パーマネンシー”や“ビロンギング(帰属感)”を意識した“社会的養育ソーシャルワーク”の確立が、喫緊の課題となっています。
 また指導委託(在宅指導措置)制度を活用した施設退所後の子ども若者への自立支援をはじめ、ひとり親家庭支援やヤングケアラー支援、加えてそれらを実効化していくためのショートステイ・レスパイト・緊急一時保護(シェルター)等の事業基盤の整備にも急ピッチで取り掛かっていかねばなりません。
 さらに今後、地域では、自立支援の各フェーズにおいて、子どもの権利擁護、すなわち当事者である子ども自身の参加や意見表明権を保障していくための仕組みづくりも必須となります。例えばケアリーバーとインケアの子ども達との交流を目的とした集いの場づくりをはじめ、自己決定・自己選択を尊重するための当事者と支援者との対話機会の確保やアドボカシーシステムの導入などが待望されています。
 これらの諸課題に率先して取り組み、“地域子ども家庭支援の新たなかたち”を創出していくための嚆矢として、私たち児童家庭支援センターに期待と関心が集まっていることは周知のとおりです。
これまでも“繋(つな)ぐ、紡(つむ)ぐ、創(つく)る”をモットーに活動を展開してきた全国児童家庭支援センター協議会は、今次の法改正を好機と捉え、“子どもの最善の利益のために”“全ての子どもを社会全体で育む”という社会的養護の基本理念を具現化すべく、全国ネットワーク組織としてのソーシャルアクションに果敢に挑んでいきます。

全国児童家庭支援センター協議会 
会長  橋本 達昌