ホーム > ⑪児童家庭支援センター オリーブの木( 熊本県水俣市)

⑪児童家庭支援センター オリーブの木( 熊本県水俣市)

地域共生社会を見据え多世代交流事業に取り組む児童家庭支援センター

■社会福祉法人光明童園は、「ただ、目の前の子どもの『幸せ』のために」を理念に、戦後間もないころより要保護児童の福祉に取り組んできた。これまで培ってきた「子どもを育てる力」を地域子育て支援にも生かしていこうと、ショートステイ・トワイライトステイ、ファミリーサポートセンター事業、地域療育センター事業や児童発達支援センター等の障害児支援、病児・病後児保育、DV 等で避難する母子への支援、不登校児支援などに取り組んできた。令和3年に開設した児童家庭支援センター「オリーブの木」は、これらの地域子育て支援活動を包括するものともいえよう。


■「オリーブの木」は、子育てに困難を抱えながらも支援サービスの利用に敷居の高さがあることを認識しており、「困る前から」つながることをモットーとしている。つながるツールとして「地域の縁がわ事業」「地域ふれあいホーム」「支援対象児童等見守り強化事業」などに取り組んでいる。


■「オリーブの木」は、「地域の縁がわ事業」をとおして、子どもから高齢者まで気軽に集えて支え合う地域の交流拠点となっている。子育てに困難を抱える家庭は多様な問題を抱えているおり、その家族を丸ごと支援する必要があるが、制度の垣根がそれを難しくしている。「オリーブの木」は、制度に頼らない(インフォーマルな)支援に心がけるとともに、子どもから高齢者まで、健常者も障害者もが集える場となることを目指している。こうした取り組みは、福祉ニーズが多様化、普遍化するなか、地域住民一人ひとりが『我が事』として参画し、地域の課題、生活と暮らしの課題を解決し、地域をともに創っていく社会、いわゆる地域共生社会を見据えたものといえる。

 水俣市(みなまたし)は、熊本県最南部に位置し南は鹿児島県に接する市である。重く長い公害の歴史を経て、2017 年現在では環境都市づくりを推進している。 人口は水俣病発生後しばらくしてから減少傾向が続いており、2022 年11 月1 日現在の推計人口は22,480人となっている。  児童家庭支援センター「オリーブの木」は、周辺の一市二町(水俣市、津奈木町、芦北町)を管轄するが、地理的に鹿児島県県境自治体(出水市、伊佐市)とのつながりもある。運営法人は子ども家庭福祉はもとより地域共生社会を見据えた実践をしている。

基礎データ

事業所名・所在地:児童家庭支援センターオリーブの木・熊本県水俣市平町2-3-1
母体(設置主体):社会福祉法人光明童園
開設年:令和3(2021) 年 2 月1 日
設置主体が有する施設・機関:児童家庭支援センター、児童養護施設、児童発達支援センター、放課 後デイサービス、相談支援事業所
スタッフ:センター長1 名(兼任)、センター長補佐1 名、相談員2 名(非常勤1)、心理士1 名
開設時間:9:00~18:00(日曜日を除く)

事例本文[PDF]はこちら